ウクライナ出身のチェリスト、グリブ・トルマチョフは1994年3月5日に生まれ、6歳でチェロを始めました。その類まれな才能と熱意を示しながら研鑽を積み、2019年にはハルキウ国立芸術大学で管弦楽弦楽器専攻の修士号(音楽芸術)を取得しました。資格は「オーケストラ奏者」「室内楽奏者」「研究者」「高等教育機関チェロ講師」を有しています。
トルマチョフは2012年9月から2017年11月まで、さらに2019年9月から2022年1月まで、ハルキウのユース・アカデミック交響楽団「スロボジャンスキー」で首席チェロ奏者を務めました。同楽団は1996年コペンハーゲンで開催された「欧州若手交響楽団音楽祭」で“ヨーロッパ最高のユース交響楽団”と評価されています。ハルキウ国立歌劇場・バレエ劇場、ハルキウ州立フィルハーモニー、ムィコラーイウ州立フィルハーモニー、チェルニヒウ州立フェスティバル・コンサートセンターなどでも第一カテゴリーチェリストとして活躍しました。
2022年2月、ウクライナでの戦禍により日本へ避難し、現在は茨城県つくば市に在住。語学学校で日本語を学んでいます。
2023年4月から2024年9月までの間に、日本各地で120を超えるコンサートに出演。主な公演には、福島市メインホールでオーストリア・ウクライナ両大使館の後援を受けた「ウィーン・プロムナード Vol.5」、国際交流協会(つくば・守谷・龍ケ崎)主催の「World Music Journey from Tsukuba/Ukraine」などがあります。また、茨城・栃木・埼玉・東京の各県のフェスティバル、群馬県立近代美術館、JICA東京本部などでも演奏しました。
病院や高齢者施設、学校でのチャリティー演奏にも力を注ぎ、新聞各紙やNHK特番でも紹介されています。
これまでに共演した著名指揮者には Vanessa Benelli Mosell(伊)、Theodore Kuchar(米)、Jurek Dybal(墺)、Giuseppe Mengoli(伊)、Kirill Karabits (ウクライナ/英)、Virko Baley(米)、Vladimir Fanshil(豪)、Dionysios Grammenos(希)、Christopher Gayford(英)、Burkhard Rempe(独)、David Drummond(英)、Timothy Reynish(英)、Volodymyr Sirenko(ウクライナ)、Vitaliy Protasov(ウクライナ)、Viktor Ploskina(ウクライナ)、Allin Vlasenko(ウクライナ)、Petro Tovstukha(ウクライナ)、Gabriel Heine(米)らがいます。
ソリストとしてはValeriy Sokolov(ウクライナ)、Anna Tifu(伊)、Dmytro Udovychenko(ウクライナ)、Elizabeth Pitcairn(米)、Oleksiy Shadrin(ウクライナ)、László Fenyö (独)、Tomasz Strahl(ポーランド)、Aleksey Semenenko (ウクライナ)などと共演。
マスタークラスでは、Leonid Gorokhov(イギリス|ドイツ)、László Fenyő(ドイツ)、Denis Severin(フランス)といった著名チェリストから指導を受け、芸術性をさらに磨きました。室内楽奏者としてはデュオ、トリオ、カルテット、クインテットなど多様な編成で国内外のクラシック・現代音楽祭に出演し、ヨーロッパおよびウクライナの作曲家の作品を幅広く紹介しています。
現在のレパートリーはクラシックの名作のみならず、ジャズ・スタンダードや世界・日本の著名な楽曲にも及び、ソロから各種アンサンブル、オーケストラまで幅広く演奏しています。
クラシック以外にも、ウクライナの人気バンド「Okean Elzy」「TNMK」「Boombox」等とのコラボレーションを行い、ジャンルを超えた多才さを発揮。イタリアの作曲家Gabriel Dinaro(Ennio Morricone 門下)の作品ではソロ・チェリストとして出演しました。
現在、1987年製イタリア・クレモナの名匠ステファノ・コニア作のチェロを愛用しています